3人娘と美術の先生

人生初の育休!!娘3人(5歳・3歳・0才)と過ごす、料理大好き、子育て・教育大好きパパでございます。

不登校の子どもの育て方

不登校の子どもの育て方

※ここでの「不登校」には「不登校傾向」も含めております。

 

①過保護に育てる

 

 子どもが苦しんだり、困ったりする姿を見守らず、子どもが自分でやるべき生活習慣を親がやってあげます。これにより「苦しいこと・困ったことは親がやるべきこと」とインプットされますので、子どもは日常のあらゆることを親任せにします。また、言うことを聞いてくれる親が自分より下だという上下関係も同時にインプットされるため、言葉や行動が攻撃的になります。

 

■実例

 

 ある男子の話では、中学1年は普通に過ごし、2年から休みがちになり、3年から休みが連続して続くようになりました。家庭の様子をヒアリングすると、中学3年生のお子様の為に、朝の準備でお母様が靴下を履かせてあげており、過保護であることが分かりました。とにかく優しいお母様でしたが、自分がやるべき仕事を奪われ続けたお子様は、「自分でやらない・自分で選択しない」という習慣が身についてしまい、日常生活のみならず習い事や学校生活の仕事(部活や勉強)など、本人やご家族の意思に反してすべてが中途半端になっておりました。お子様はうまくいかない現状を「いつも通り」にお母様に頼りますが、人ひとりの問題すべてが親の手に負えるわけもなく、お母様はここにきてやっと厳しく怒るようになりました。しかし、自分でやる習慣のついていないお子様は、これまでの過保護を急に変えられたことで、自分より下位の身分と認識しているお母様に暴言と暴力を振るい、物に当たるようになりました。お子様の中では「なぜこれまでのように解決しないのか」、「なんとかしろ」、「うまくできないのはお前のせいだ」という考えに縛られておりました。お子様はうまくいかない現実のストレスを忘れるため、自分の思い通りにコントロールできるゲームの世界に没入していきました。そして、外界から隔離される自分の部屋で昼夜逆転の生活が始まり、情緒は一層不安定になっていきました。自分の手に負えない状況にお母様は大変悩み苦しみ、親子共々出口の見えないストレスを抱えておりました。

 

■実際の解決方法

 

①このようなケースではお母様が過保護であることをやめればよいので、お子様の課題に介入しないようにしてもらいました。

 

 お母様の介入癖を改めることを、お母様自身にご納得していただく必要がありましたので、お子様の課題に介入しないことで正しい成長ができるということを理解していただきました。その上で、愛することは課題を乗り越えようとする我が子を見守ることであり、どう足掻いても一人で手に負えないことのみ支えるようにしてもらいました。

 子どもの人生は親がいない時間の方が長いのです。

 課題を乗り越える意義は、誰かの助けになるためです。

 なにより、子どもは本来何事も自分でやりたい生き物です。

過保護は献身的な愛情である一方で、親自身が安心したいという心の表れでもあります。

過保護などせずとも、子どもが達成できる環境を整えてさえあげればよいのです。

 

 

②お子様本人に、一人の人間として今後の日常生活を「自分でできるようになりたい(理想の目標)」か「お母様に手伝ってもらいたい(良くない現状維持)」の二択を自分の意思で選択してもらいました。

 

 この時に重要なことは、本人の意思で宣言するということです。悩みに苛まれている時は、大人子ども関係なく実現可能な目標が立てられないものです。そんな時は2択で聞いてあげることで正しい道を認識することができます。質問は2択ですが、答えは1つの実質1択の質問です。それでも本人にとっては自分の意思で選択した自分の意思として認識されるので、納得ができるのです。仮に、「自分でできるようになりなさい」と伝えてしまうと、自分による意思決定が成されていないので正しい道への指導が有効にはたらきません。

 

 ③親子ともに、急に変わることは難しいことを理解してもらった上で、お母様には①②の方針を粘り強く見守ることを継続してもらいました。

 

 改善するには継続がなにより重要です。良い習慣も悪い習慣も21日間の継続により築かれていきます。人は忘れやすい生き物ですので、正しい目標や、やるべきことを何度も確認していくことが有効です。日記をつけて一日を振り返っている人に偉人が大変多いのは、理想の目標に対して自分がどのように行動できたかを日々確認し、忘れないでいるからです。

 

以上の3点で次第に登校できるようになり、立派に進学していきました。互いの存在に涙し合えた感動の別れとなりました。

 

■「①過保護」のおわりに

 中学生になり、自我が芽生え、自分のやるべきことを目指すようになった時、自分の仕事・課題に取り組むのは常に自分であることが前提でございます。現在の日本の教育のシステムが小学校→中学校→受験→進学(もしくは就職)というシステムである以上、過保護により教育は遅くとも受験時に限界が訪れます。受験で試されるのは本人の力だからです。親にできることは飽くまで支えること、成長できる環境を準備してあげることでございます。お子様が最愛であるように、あなた様もまたかけがえのない大切な一人です。親子がお互いに笑っていられるように、粘り強く、温かく見守っていきましょう。